画像検査エンジニアの技術ブログ

目視で行なっている外観検査を自動化にしたいけれど、うまくいくのか不安に思っている生産現場の方も多いのではないでしょうか?当記事は、実際に生産現場の量産ラインに多数の画像検査装置を導入している弊社の経験から、画像検査におけるよくある間違いをご紹介したいと思います。

ヒューマンビジョンとマシンビジョンは違う!

ヒューマンビジョン

目視の外観検査では、人が目でモノを見て、人が考えて結果を出します。もちろん、人手による検査ですから、画像と経験と直感(感覚・感情)で判断を行います。

マシンビジョン

自動化された外観検査のにおいては、カメラで画像を取得し、コンピュータで解析して結果を出します。こちらでは、カメラの画像のみを頼りに解析・処理と判断を行います。つまり、マシンビジョンでの処理・判断の元となるものは数学です。画像を処理・解析し、数学で表せない処理はできないということです。

このようにヒューマンビジョンとマシンビジョンは、判断基準が全く異なります。そのため、目視外観検査を自動化するためには、コンピュータが判断しやすい画像を撮像することが重要となります。コンピュータが判断しやすい画像とは、下記の項目を押さえた画像となります。

・特徴情報(エッジ、濃淡、色)を過不足なく含む
・抽出すべき特徴に十分なS/N比(条件)がある

このような画像を取得するためには、ワークの特徴の把握、並びに、撮像環境の最適化(照明選定と当て方)が非常に重要となります。ここを押さえておけば、特徴とそれ以外の差を区別することが可能となり、画像検査の自動化を実現できる可能性が非常に大きくなります。

白飛びはNG!

白飛びとは、画像の一部が真っ白で飽和しているものです。よくあることですが「汚点を検知するためにその他の特徴を消したいので、強く明るい照明で白く飛ばそう!」という考え方は、NGです。理由としては、白飛びしているということは画像の一部の情報が欠損しているためです。これにより、判断の基準が曖昧となり、判断揺れが発生します。

ではどのようにして対処すればよいのでしょうか。こういった場合は、明るさではない別の方法で特徴を消すことが重要です。例えば、照明を照射面の大きいものに変えたり、レンズの絞りを開けることにより、カメラに光が入射する方向を広げます。これにより、白飛びをせずとも、ワークの凹凸による濃淡差が減少し、その他の特徴を消すことが可能です。

レンズの「絞り」は明るさと被写界深度だけではない!

一般的に、レンズの絞りの調整では、カメラに入ってくる光の量と被写界深度を調整することが多いです。(※被写界深度とは、ピントの合う深さを指します。)しかし、レンズの絞りにより、これらだけでなく凹凸特徴の捉え方も変化させることが可能です。

・レンズを絞る:凹凸特徴を強く捉える→濃淡変化が強くなる
・レンズを開く:凹凸特徴をあまり捉えない→濃淡変化が弱くなる

つまり、レンズの絞りは①光の量、②被写界深度に加えて、③凹凸特徴の捉え方も大きく変化させることをしっかりと押さえた上で、調整を行う必要があります。これを考慮していないと、思わない部分で足をすくわれるなんてことにも陥りかねません。

画像検査の自動化なら画像検査.comにお任せ!

いかがでしたでしょうか。今回は、画像検査におけるよくある間違いについて詳しくご紹介しました。画像検査.comでは、検査工程の省人化・無人化ニーズにお応えすべく、日々技術を磨いております。 画像処理の技術とノウハウだけでなく、自動機の組立・検査・出荷梱包ラインまで一括で設計製作可能という強みがあります。「当社の画像検査を自動化できるかな・・・」「こんなワークでも高精度に検査できるかな・・・」などなど、画像検査に関するお悩み事がある方は、画像検査.comまでお問い合わせください。

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