画像検査で照明を選定する際には、用途によって適切な照明を選択する必要があります。その用途は大きく外観検査と寸法計測の2つに分かれます。外観検査用途の中でも、対象ワークの検知対象の種類によって選定すべき照明は異なります。今回は、外観検査用途の中でも、打痕や傷など、ワーク表面に対して凹凸がある場合の照明選定ポイントをお伝えします。。
>>画像検査(外観検査)における カメラ・照明・レンズ選定のポイント
ワーク表面に対して凹凸があり、ワークの搬送を一時停止できる場合は、フォトメトリテックスステレオ法を使用します。フォトメトリテックスステレオ法とは、4方向から光を当てて画像合成・差分で局所3次元変化を浮かび上がらせる方法のことです。
例えば、下図のような打痕を検知したいとします。通常の方法だとワーク表面にも色や反射のムラがあるため検知することは非常に困難です。
そこで、フォトメトリテックスステレオ法を使用することで下図のように、打痕箇所が白く浮かび上がって、ワーク表面の色や反射のムラが消された画像を取得することができ、異常の検知をしやすくなります。
では、ワークの搬送を一時停止できない場合や、4回撮影する時間を短くしたい場合はどうすればよいのでしょうか。それには、2つ方法があります。
ワークが平たいものには対しては、ローアングル照明を使用します。
例えば、下図のような錠剤の刻印検査をしたいとします。
通常の拡散照明だと明暗が曖昧になり、画像検査が困難になります。そこでローアングル照明によりワークの横側から光をあてることで、凹部分は暗く、凸部分は明るくすることができます。それにより下図のように明暗がはっきり出て検査がしやすくなります。
また、ローアングル照明は安価で構成が容易です。しかし、ローアングル照明は傷や打痕しか検査できず、照明をワークに近づける必要があります。
上記の要因により、ローアングル照明を使用できない場合は、光の正反射特性を利用します。光の正反射特性とは、照明からワークへの入射角度とカメラのワークへの角度を同じにすることで、カメラ正面のみ明るく、それ以外は暗くなるという特性です。
例えば下図のようにワーク肌面を正反射となるように設置することで、打痕は肌面と角度が違うため正反射とならず、暗く映るため検知することができます。
正反射光を利用する際は、照明は同軸照明かバー照明を使用します。
テスト検査のご依頼大歓迎!