エリアスキャンカメラはシャッターを一度切るだけで撮影できるカメラです。
他のカメラと比べても安価です。取り込み後に画像処理をすることも比較的簡単です。
ワーク姿勢が変化する場合(振動などでブレる)でも、シャッターを切ったタイミングで一瞬で画像が
取り込まれるため、ブレなく取り込むことが可能です。
ただし、ワークがカメラの視野内に入ったということを知る必要があり、何らかのワークを検知する
センサが別途必要になります。(これをトリガーといいます)
一方ラインスキャンカメラは、スキャナで用紙をコピーするように連続的に細い棒状の画像を
取り込んで繋げることで画像にします。
ロールシートなど、画像を常に取り込み続ける必要があるようなワークの条件に向いております。
あるいは、ワークが来たことを検知できない場合、ラインスキャンカメラで取り込み続け、
後で画像処理を駆使してワークを検査するといった検知センサのような使用方法も可能です。
難点は条件設定で、搬送系の速度と取り込みの間隔を同期させる必要があります。
同期がうまくいかないと、伸びた画像、縮んだ画像になり、正しく検知できません。
逆に言えば、同期していれば局所的に搬送速度が変化した場合でも正しく補正できますが、
同期させずにコンベアの速度が一定だと信じた設計にすると、補正がうまくいきません。
また、エンコーダとの連携が必要であるため、敬遠する技術者も中にはいらっしゃいます。
エンコードとはモーターが発するパルスの信号をカメラの取り込み側の機器に接続して、
パルスと取り込みの間隔を合わせる処理のことです。(取り込みの速度とモーターの回転を合わせる)
個々の取り込み画像は細い棒状の画像のため、それぞれを繋げる処理が必要になる場合があります。
これら2種類のカメラの選択基準ですが、まずはエリアスキャンカメラで検討することを推奨します。
エリアスキャンカメラは環境の構築が簡単で、適応テストが安価かつ容易に行なえます。
また、エリアスキャンカメラで撮影を工夫して使用すれば解決することも多々あります。
一方、ラインカメラを選択する場合は、連続的に検査が必要なワーク、あるいは特殊な事情で
取り込み続ける必要がある場合などです。
また、精度面で見ると一般的に超高精度の場合(16Kの画像など)はラインカメラしかないことが多いです。
超高精度の場合はエンコーダを駆使してエリアカメラのように使う方法が有効ですが、
振動を取り込んだ画像になることに留意する必要があります。
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