従来、ワークへのキズや異物等の検査は目視により行われてきました。しかし、昨今では、画像検査技術の進展に伴い、人手による検査よりも、高精度な検査を実現することが可能となっています。こういった背景から、ワークへのキズ・異物等の検査においても、自動化を進めている企業は数多くあります。当記事では、そんなキズ・異物等の画像検査の自動化について、事例を併せてご紹介します。
画像検査装置を導入することで、品質管理の強化や生産効率の向上など、さまざまな利点が得られます。
画像検査装置は、製品の品質を確保し、不良品の発生を防ぐ重要な役割を果たします。
・高精度な検査
微細な欠陥や異常を正確に検出し、不良品のリスクを大幅に低減します。
・一貫した検査品質
手作業では難しい均一な検査を実現し、品質のばらつきを防ぎます。
・リアルタイム監視
製造プロセスをリアルタイムで監視し、問題発生時に即座に対応できます。
画像検査装置の活用により、製造現場の生産効率が大幅に向上します。
・検査の自動化
検査工程を自動化し、作業時間の短縮や人的ミスの削減を実現します。
・効率的な品質管理
画像解析技術を活用し、生産ライン全体の品質を一元管理できます。
・人的ミスの削減
検査の自動化により、再作業や廃棄にかかるコストを低減します。
・リソースの最適化
製造プロセスを効率化し、無駄なコストを削減します。
・品質保証コストの低減
不良品の発生を抑え、再加工や廃棄にかかるコストを最小限に抑えます。
上述の通り、画像検査の技術は日々進歩しています。そのため、現在では、ありとあらゆるワークに対する極小のキズ・異物を検知することが可能となっています。代表例としては、下記のようなものが挙げられます。
・樹脂・金属製品等のキズ・欠け
・製品加工時に発生したバリ
・布に付着した汚れ・異物
画像検査では検査基準が明確に定められていて、予め定めた基準をもとにキズ・異物を検知します。そのため、基準が曖昧な場合は、一般的に、合格・不合格の限度を示す「限度見本」「不良見本」「標準見本」を使って判断を行います。
ただし、条件によっては、キズ・異物等の検査の自動化が難しい場合があります。例えば、下記のような場合です。
・ワークに濃淡むらやグラデーションがある
・光が反射している部分とキズの区別がつかない
・特殊形状のワークであるため、照明条件が難しい
上記のような場合、最も重要となることが撮像環境の最適化です。条件が難しい検査であっても、撮像環境に工夫を施すことで、高精度な検査を実現することができる場合が大いにあります。つまり、条件が難しい検査、もしくは、高精度な検査を依頼する場合は、豊富なノウハウを持った企業に依頼することが重要といえます。
人手によるキズ・異物検査では、ベルトコンベア等により流れてきたものを、目視にて1つずつ外観に異常がないかを検査します。極小のキズ・異物等の場合は、ルーペなど道具を使って検査する場合もあります。しかし、人手では、どうしてもキズ・異物等の見逃しが発生してしまいます。 しかし、画像検査を自動化することで、こういった見逃しを防ぎ、より高精度且つ、確実な検査を行うことができるようになります。
キズ・異物等の検査を自動化するためには、画像検査設備の導入にかかる初期費用が必要となります。しかし、導入してしまえば、人手が不必要となります。そのため、これまで必要であった人件費を大幅に削減することができます。もちろん、予めトータルコストをシミュレーションしておく必要がありますが、長期的に見ると、大幅なコストメリットがあります。
いかがでしょうか。キズ・異物等の検査自動化のメリットをお分かり頂けましたでしょうか。次に、実際に当社にて実施しました、キズ・異物等の画像検査事例をご紹介します。