画像検査エンジニアの技術ブログ

3D画像検査とは、対象物の3次元データを取得し、画像処理技術を活用して形状計測や欠陥検出を行う検査手法です。

従来、外観検査では欠陥の種類や特徴に応じて照明やカメラの設定を調整する必要がありましたが、2D画像検査と3D画像検査を組み合わせることで、多様な項目の検査を高速かつ正確に実施できます。本記事では、特にインライン外観検査での3D画像検査の有用性に焦点を当て、その技術や応用事例について解説します。

3D画像検査とは

3D画像検査は、対象物の「高さ画像」を利用し、形状や寸法、表面欠陥を視覚化・評価する技術です。この技術により、部品の寸法計測や欠陥検出を非接触で正確に行えます。特に、表面の打痕や異物の検出において優れた性能を発揮します。

高さ画像は、物体表面の高さを輝度で表現した画像で、高い部分ほど明るく、低い部分ほど暗く映ります。このデータは3Dセンサーによって取得され、簡略化された形式で解析されるため、インライン検査のような高速処理が求められる場面でも対応可能です。

 

2D画像検査と3D画像検査の比較

2D画像検査は、輝度変化を利用して欠陥を検出するのに適していますが、形状や高さの違いを正確に把握することは困難です。一方、3D画像検査は、表面の凹凸や形状変形を正確に識別する能力を持っています。以下に両者の特徴を示します:

2D画像検査が得意な項目

3D画像検査が得意な項目

汚れ、サビ、色ムラなどの輝度変化

凹凸欠陥(打痕、異物)

印刷品質や色調の変化

組立不良(ネジの浮き、ピン抜け)

平面的な寸法検査

立体的な形状変形(折れ、曲がり)

2D画像検査でも照明の工夫によって凹凸欠陥を検出することは可能ですが、以下のようなケースでは3D画像検査が特に効果的です。

 

3D画像検査の活用が有効なケース

   緩やかな凹みの検出

緩やかな凹みは2D画像では輝度変化が小さく検出が困難です。3D画像では高さ情報を数値化することで、こうした微細な欠陥も正確に識別可能です。

   模様やノイズの影響がある場合

切削面の素地模様や木目などが映り込む場合、2D画像検査では過剰検出が起こりやすいですが、3D画像検査では欠陥と模様を明確に区別できます。

   欠陥の深さで良品/不良品を判別する場合

 凹みは良品として許容し、突出部分を不良とみなす製品では、3D画像検査が欠陥の高さ情報を活用して正確な判断を可能にします。

まとめ

3D画像検査は、外観検査において2D画像検査の限界を補完し、高速かつ精度の高い検査を実現する技術です。工場の自動化や品質保証の向上を目指す中で、2Dと3Dの組み合わせは非常に効果的です。本技術の適用により、生産効率や検査精度を大幅に向上させることが期待できます。

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