外観検査には様々な種類のレンズが使用されています。カメラ・照明と同様に、レンズも用途や条件に応じて上手に使い分けを行うことが重要となります。そこで、今回は、外観検査のレンズ選定における主要なパラメータについてお伝えします。
レンズの選定における主要なパラメータとして、
1.倍率
2.ワークディスタンス
3.レンズの種類
の3つが挙げられます。
これらの3つの主要なパラメータを理解して、正しいレンズを選定することで、高度な外観検査を実現することが可能です。
下記にてそれぞれのパラメータについて細かく説明します。
レンズの倍率はメーカーHPに掲載されているカメラスペック表から確認を行うことが可能です。また、HPに記載がない場合は、下記の計算式でカメラセンササイズを求めることができます。
セルサイズ×縦横の画素数=カメラセンササイズ
例:3.45μm×2048pix=7.0656mm
レンズを選定する際、あらかじめどれくらいの倍率が最適であるか判別しておく必要があります。自身の装置に最適な倍率(目標値)はカメラセンササイズと必要視野サイズから計算することができます。下記にて、計算式をご紹介します。
カメラセンササイズ/必要視野=最適な倍率(目標値)
例:7.0656mm/60mm=0.141312倍
この計算式により導き出された最適な倍率に近い倍率のレンズを選定することが非常に重要となります。仮に選定したレンズが最適な倍率でない場合、視野が合わず正確な検査が行うことができないため、注意しましょう。
ワークディスタンスとは、レンズの先端とワークとの距離のことを指します。こちらも倍率と同様にメーカーHPのスペック表に最短~最長のワークディスタンスが記載されています。
基本的にこのワークディスタンスは、スペック表に記載のワークディスタンスに沿って決定しますが、それに加えて、装置の大きさや間に入る照明の大きさも考慮して決定することが重要となります。
固定焦点レンズは、標準的なレンズで幅広い用途に使用できます。FA用途のレンズは基本的に固定焦点レンズが使用されています。
マクロレンズは、近距離からワークを拡大して撮影したい場合に用いられます。
テレセントリックレンズでは、取得した画像にレンズ歪み(ディストーション)が発生しません。さらに、全視野を正面から撮影した画像を取得することも可能です。計測用や広い視野で立体物を正面から撮影する場合に用いられます。
上記レンズの違いをお分かりいただけたでしょうか。
これらのレンズの種類から最適なレンズを選定するためには、まず、用途から絞り込むことをお勧めします。例えば、計測用途や斜めから見たような画像になってはいけない場合、テレセントリックレンズに絞り込まれます。この例のように用途から最適なレンズの種類を絞り込むことで、ミスマッチのないレンズ選定を行うことができます。
また、最適なレンズの選定においては、用途に加えて、ワークディスタンスとコストも考慮する必要があります。特にコストを安く抑えたい場合は、固定焦点レンズを使用することをお勧めします。もちろん、場合によっては固定焦点レンズではスペック不足の場合もありますが、条件に応じた工夫を施すことで固定焦点レンズであっても難度の高い検査を行うことが可能です。
いかがでしたでしょうか。今回は外観検査のレンズ選定における主要なパラメータについてご紹介いたしました。画像検査.comでは検査工程の省人化・無人化ニーズにお応えすべく、日々技術を磨いております。お客様のご要望に最適な条件で、検査装置を製作することが可能です。さらに、画像検査.comでは製作画像処理の技術とノウハウだけでなく、自動機の組立・検査・出荷梱包ラインまで一括で設計・製作を行うことが可能です。
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