ROBOWORKER Automation GmbH社では精密切削工具(ドリル)の制御、検査、そして包装までの全ての工程を自動化したシステムを開発いたしました。
このロボットシステムでは、下記のプロセスにより自動供給を行います。
1.切削工具を適切に検査・製品包装するべく、移載ロボットを用いてトレーから1個ずつ切削工具をコンベヤーに移載します。
この時、複数台のコンベヤーを平行して稼働させることでロボット1台でも1部品当たり0.5秒の速度で部品の移動を可能としています。
2.ベルトコンベヤー上に積載された切削工具はその後マシンビジョンシステムへと搬送されます。そこでカメラでワークを撮影し、ワークの状態をデジタルデータとしてコンピューターに取り込みます。画像検査の際はワークの形状特性や不良を認識しやすいように照明を設置いたします。
3.弊社でも使用している画像処理システム「HALCON」では複雑な包装や検査機能を実現し、上記のような複雑な検査工程も自動化することを可能とさせます。
本事例ではワークの位置や回転、内接円・外接円・穴の直径や角度といった形状特性やキズや欠けといった不良などの検査を行います。
4.取り込んだ画像データをロボット制御装置に送信することで、位置データを計測する必要がなくスムーズな梱包を行うことができます。
上記のような画像検査を含めた工程自動化はまずカメラキャリブレーションをしなくてはなりません。キャリブレーションとは、例えばワークが斜めに映っている場合に画像を補正してシステムが画像を正しく認識できるように変換することです。
画像検査においてはワークに対して垂直にカメラを設置する必要がありますが、工場ラインや環境によってはカメラを適正に設置できない場合もあり、カメラキャリブレーションにより撮影した画像を修正する必要があります。
また、カメラレンズによっては収差が発生し、像が歪むことがありますがこの歪みの補正もキャリブレーションによって行います。
カメラキャリブレーションによりカメラとワークの位置関係が定まり、画像処理プログラムが識別した切削工具の位置・傾きや各部品の座標データはそのままロボット制御装置に送信することでロボット制御装置側でワークの位置情報を計算することなく位置決めが可能です。
画像検査においてはワークの輪郭データを識別することで部品が回転していたり、一部が隠れていても位置や向きの情報を認識することができます。
また、各部品の内接円や外接円、穴の直径などの寸法は、50μmの精度で計測されます。
画像検査.comでは搬送工程を考慮した画像処理ユニットの設計・製造を得意としております。
省力化機械の設計・製作・制御・据付・立ち上げまで一貫して行い、画像処理技術に加えて、組立・検査・出荷梱包ラインなど上記のような自動機全体を最適化することが可能です。
標準ユニットでは対応できないような検査の自動化に関しましてカスタマイズ設計を承っております。
「うちでは検査の自動化は無理・・・」と諦める前にぜひご相談ください!
※本事例につきましては、HALCON製品のホームページ(https://linx.jp/casestudy/casestudy_cat/halcon/)からの引用による、イメージ画像となっております。